自民党公式チャンネルなど、公的機関や企業も利用し始めているYouTubeですが、今度は角川が2月に公式チャンネルを立ち上げるなどYouTubeに参加するようです。角川と言えば、「涼宮ハルヒの憂鬱」や「らき☆すた」など人気アニメですが、YouTubeによって大いに権利侵害を受けている被害者でもあり、今までとはちょっと違う動きもあったので紹介。
ITmediaの記事によると
春ごろからは、同社が権利を持つ投稿動画を、YouTubeが開発中の動画識別ツールを使って抽出する仕組みを導入。権利者が「公開していい」と判断した場合は「認定マーク」を付け、動画内や再生ページに広告を挿入した上で公開する。広告からの収益は権利者に分配する。
興味深いのは動画識別ツールと広告収入の分配。
この動画識別ツールがどのような仕組みなのかは公開されていませんが、コンテンツホルダー側の権利を侵害する動画の削除が容易になりそうです。今のところ、角川作品なら9割程度の精度で判別できるとのこと。権利者側のコストを下げることでYouTubeと良好な関係を構築しやすくなるのではないでしょうか?
また、権利者が「公開していい」とう判断がどの程度のしきい値で行われるかは現在のところ分かりませんが、ユーザーの二次制作物に対して少し道が開けることは間違いないと思います。
次に、広告収入。広告収入によってコンテンツホルダーが持つコンテンツを有効に利用できるかもしれません。例えば、古すぎてYouTubeにもアップロードされない映像など。ともかく権利者も利益にあずかれるということは大きな進歩でしょう。
音楽がほぼJASRAC一つに権利が手中している事に対して、映画をはじめとする映像コンテンツは、映像配給会社や制作者など多岐に渡る権利者がいることが実状。YouTubeやニコニコ動画がコンテンツホルダーとどういう関係を築いて行くのか、今後も注目です。
via ITmedia